私は、排泄に障害があり、尿意を感じることができません。
トイレに行きたいと思っても、我慢をすることも出来なければ、自力で排尿をする力もありません。
歩けないことより辛い「排泄障害」
脊髄を損傷すると、「排泄」にも障害を負ってしまいます。
これがまた厄介で、歩けないことよりもずっとずっと辛いものです。
17歳の時に突然、
漏らすことが当たり前の日常になるのだから無理はありません。
しょうがないといくら慰められても、私の心はズタボロで、
「あ〜何なんだろう…この人生は。」
と、受け入れることなんてできませんでした。
自力で排尿できないのにどうやって尿を出すの?
ほとんどの脊髄損傷者は、「カテーテル」というものを尿道に挿入して尿を出します。考えただけで痛そう(涙)と思う方も多いと思いますが、脊髄を損傷したことで感覚も麻痺しているので痛みはありません。(※感覚麻痺がない方は地獄ですよね…)
このことを「導尿」と呼ぶのですが、これがまた難しくて…
結論から話すと、私は挫折しました。今は、導尿は全くしていません。
入院中に何度も練習をして習得はしたのですが、この「導尿」という行為が私にとってはストレスでしかなくて、結果的に外に出ていくことへの不安にも繋がってしまったのです。
なんでそんなに「導尿」が難しかった?
頸髄を損傷し、脚だけではなく「体幹」「腕」「指」に麻痺がある私は、普通のトイレに乗り移ることができません。車いす上で着替えをすることも難しいです。
そんな私が自力で導尿をするには、車いす上で導尿をするための「特殊なズボン」と「特殊な下着」「導尿するための様々な道具」が必要でした。とても参考になるサイトがあったので、詳しくはこちらをご覧ください。(12ページ参照)
http://www.rehab.go.jp/beppu/book/pdf/livinghome_no10.pdf
直接目で見えない尿道を探して、麻痺した手でカテーテルを挿入する。その技はとても難しく、体勢を整えて導尿の準備をしているうちに漏れてしまう。なんてことは日常茶飯事でした。
そんな私が「導尿」をやめてたどり着いた方法
それは、
膀胱ろう
です。へその下あたりに穴を開けて、そこから膀胱に直接カテーテルが入れてあります。
見た目的にはお腹から管が出ているわけだから、良いものではないけど、私はやってよかったです。管理がとても楽になったのと、月に一回病院で交換してもらう以外は、「排尿」は自立できました。
もちろん抵抗がある方もいると思うし賛否両論はあるかもしれません。膀胱ろうではなくて、留置カテーテル(カテーテルを尿道にさしっぱななしにしておく方法)の方法をしている方もきっと多いのではないかなと思います。
そんな「膀胱ろう」「留置カテーテル」を365日している方におすすめな方法をこれから紹介しますね。
超!便利アイテムをご紹介!
まずこちら
DIBキャップ

ウロバック(尿を溜めるバック)の代わりにカテーテルにつけておくことで栓をするイメージです。これをつけることで、膀胱ろうや留置カテーテルをしていても膀胱に尿を溜めることができます。
何より、ウロバックをぶら下げないので「尿を溜めた袋」が外から見えることはありません。
手が麻痺している私は、ワッカをつけて自分で開け閉めできるようにしています。

普段は、このようなボトルを持ち歩いてトイレに行って尿を破棄します。

超簡単!超便利!
好きな服も着れるし、時間もそんなにかかりません。側から見れば、普通にトイレに行っているように見えます♪
そして、次がこちら
DIBキャップ用アタッチメント

ウロバックにつけっぱなしにしておきます。

こうすることで、先ほどご紹介した「DIBキャップ」をはめたまま、ウロバックをつなげることができます。DIBキャプの蓋をカチャッと開けて、つなげましょう。つなげたり外したり私もできるので、コツを掴めば手に麻痺がある方でもできるようになると思います!

夜寝る時は、ぐっすり寝たいので私はウロバックをつなげて寝ています。
ただ、寝ている間にアタッチメントとDIBキャップが外れていて、ベッドと服が尿まみれになったことが一度だけあるので、そこは要注意です。
以上が、頸髄損傷女子C5.6の排尿方法でした!
最後に…
怪我をしてすぐ、泌尿器科の先生から「頸損の女性は導尿が難しいから膀胱ろうをおすすめします」と言われました。でも当時の私は、どうしてもお腹に穴を開けることに抵抗があって拒否しました。何がなんでも自分で導尿をする!と意気込んでいました。できるようにがんばろう!と、作業療法士の先生も必死に教えてくれました。いろいろなグッズを作ってくれました。
だけど、自分で導尿をすることはハードルが高すぎた…
遠回りはしたけど、チャレンジしてみた結果。自分に最適な方法を、自分の意思で確立できたので、あの辛い「導尿」の時期も無駄ではなかったと思っています。色々と教えてくれた作業療法士さんや看護師さんには感謝しています。
そして今回ご紹介したこの排泄方法が、選択肢の一つとしてどなたかのお役に立てればとっっっっっても嬉しいです。
自分の体の状態を知り、自分に合った方法で、少しでも暮らしが豊かになるように。これからも、色々と模索しながら、失敗も経験しながら、生活できればと思っています。
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